子どもの貧困に、様々な角度から新しい光が当てられ始めている。
実態は、調べがすすむほどに深刻となる。
以下の記事では、和教組が、教育委員会、教育関係者、行政とも連携しようとしているところが重要だ。
いかに「新自由主義」を礼賛する者であれ、幼い子どもの困窮を前に「自己責任」を口走る大人は決して多くはない。
あらゆる人々と手をつなぎ、身のまわりの貧困克服に努力する大人の努力が求められている。
困窮家庭が増えたと担任が実感 給食の持ち帰りも(紀伊民報、08年9月22日)
県教職員組合(和教組)は小中学校の学級担任らを対象に、子どもたちの家庭状況などを聞いたアンケート結果をまとめた。回収率は16%だったが、「学用品を買ってもらえない」「修学旅行を欠席する」「家族のために、給食を持ち帰る」などの事例報告があり、生活困窮家庭が増加していると感じている教職員が多かった。
調査は「格差と貧困」が社会問題になる中、教職員が現状を把握し、問題意識を深めるのが目的。今年2月に小中学校や特別支援学校、教育委員会、生活保護行政担当者ら約4800人に調査票を郵送し、約760人から回答があった。
「生活困窮家庭が増加しているか」の問いには「増えている」が、「変わらない」の約2倍。学級内で「生活保護を受けている」「保護者が失業中」などの事例が多いという。
生活困窮家庭の子どもへの影響については「特にない」の回答も少なくなかったが、「落ち着きがない」「イライラしている」「表情が暗い」など心への影響を指摘する回答が多かった。
中には「栄養状態が心配」「虐待や放任にさらされている」など、すぐに何らかの対応が必要な子どももいる。また、「学習の遅れ」を心配する回答が多く、「『格差』が子どもたちの学力格差に結びついているのでは」と話している。
学校の取り組みで重要視するのは「声掛け」「緊密な保護者との連絡」で、「子どもたちの様子をよくつかみ、困難な中でも前向きな姿勢で頑張れるような援助をすることが課題」と指摘している。
和教組は「深刻な実態と課題が見えた。教職員の中で論議し合い、教委をはじめ、教育関係者、行政などと連携を取り合った対応が必要になってきている」と話している。(2008年09月22日更新)
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