アナン事務総長が“お別れ演説”、米に国際協調求める(読売新聞,12月12日)
「【インデペンデンス(米ミズーリ州)=白川義和】アナン国連事務総長は11日、米ミズーリ州インデペンデンスで、12月末の退任を前に最後の本格演説を行い、安全保障や貧困対策、人権推進などあらゆる分野で国際協調が求められていると強調、米国を念頭に超大国の単独行動を戒めた。
アナン総長は、世界中でテロや疫病などの脅威が広がるなか、「他国を支配しようとすることで自国を安全にできる国はない」と米国内の一国主義の風潮を暗に批判し、他国との協調を呼びかけた。
また、「世界が軍事力の行使を正当と認めるのは、広く受け入れられた規範に従い、広く共有された正しい目的のための行使と信じる時だけだ」と力説した。
人権問題についても、米国が今後も主導的役割を果たすには、テロとの戦いで人権尊重の原則を守ることが求められると指摘した。
アナン総長は、米国の国連に対する関与増大への期待から、国連の活性化に貢献したトルーマン元米大統領の記念館を「お別れ演説」の場に選んだ。演説後の質疑でも、「米国が多国間機構でほかの国とともに作業する時は、とてもうまくいく。我々は米国の指導力を求めている」と訴えた。」
コメント