日経新聞主催の国際会議「アジアの未来」の関係記事。
詳細は、またまとまった公表があるのだろうが、フィリピンのアロヨ大統領が日本の「集団安全保障」へのより大きな貢献をもとめている。
「東アジア共同体」の枠の中での話ではあろうが、これは憲法「改正」を支持することにつながるのだろうか。
マレーシア首相、日中韓の関係改善を歓迎・アジアの未来(日経新聞、5月23日)
第13回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)が24日午前、都内のホテルで開幕した。講演したフィリピンのアロヨ大統領とマレーシアのアブドラ首相はともに日中韓3カ国の関係改善を評価し、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓が主導する地域統合の加速を訴えた。アロヨ大統領は日本がアジアの集団安全保障に、より大きな役割を果たす必要があると提唱。アブドラ首相は経済だけでなく政治面でも域内連携を強化するよう主張した。
アロヨ大統領は、日本が「地域の安定と均衡を保つうえで従来以上に中心的な役割」を果たす必要があると述べた。「日本が集団安全保障に関する考え方を広げ、より大きな貢献をすることをフィリピンも強く支援したい」と言明。地域紛争の和平貢献など非軍事的な分野での取り組み強化も求めた。
アブドラ首相も日中韓の関係について「昨年よりずっと良くなっているのはうれしいことだ」と評価。東アジア共同体の実現に向けては「経済から社会、政治へ」と徐々に連携の幅を広げる必要があると指摘した。
アロヨ比大統領「安保、日本の役割に期待」・アジアの未来(日経新聞、5月23日)
第13回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)が24日午前、都内のホテルで開幕した。フィリピンのアロヨ大統領は講演で、日中韓3カ国の関係が改善していることを評価。日本がアジア域内の集団安全保障により大きな役割を果たす必要があると提唱し、「東アジア共同体」構想など地域統合の加速を訴えた。日本の二階俊博前経産相や東南アジア諸国連合(ASEAN)のセベリーノ前事務局長らは討論で域内の貿易、投資の促進策について議論した。
会議は25日まで開催し、アジアの政府首脳や学識経験者、経済人らが地域の発展や域内連携の強化について話し合う。今回のテーマは「広がるアジア、強まる連携―共同体構築に向けて」。
アロヨ大統領は、急伸する中国やインドを視野に入れつつ、日本が地域統合の進む過程で「地域の安定と均衡を保つうえで従来以上に中心的な役割」を果たす必要があると述べた。「日本が集団安全保障に関する考え方を広げ、より大きな貢献をすることをフィリピンも強く支援したい」と言明した。
東アジアの安全保障を討論・アジアの未来(日経新聞、5月24日)
都内のホテルで開催している第13回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)は25日午前、東アジア情勢を巡り日米中韓4カ国の外交・安全保障分野の専門家が討論した。パネリストの韓昇洙(ハン・スンス)元韓国外交通商相は北東アジアの安全保障機構を検討すべきだと提唱。ナイ米ハーバード大教授(元米国防次官補)は日米中3カ国を軸とした枠組みで協力を強化する必要があると訴えた。
韓氏は「東アジア共同体」構想など経済分野を軸とする地域統合構想が加速している域内では「高度な政治協力」が可能になると分析。テロや大量破壊兵器の拡散、組織犯罪などに立ち向かうために「我々は北東アジアで多国間の新たな安全保障の枠組みを真剣に議論し始めなければならない」と強調した。
具体例として米欧、ロシアと旧ソ連諸国の計56カ国で構成し、冷戦期に東西両陣営間の信頼醸成に寄与した欧州安保協力機構(OSCE)が「良い手本になる」とした。
都内のホテルで開催している第13回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)は25日午前、東アジア情勢をテーマに、日米中韓4カ国の外交・安全保障分野の専門家による討論を開いた。パネリストのナイ元米国防次官補は北朝鮮の核問題の進展には関係国が北朝鮮への不信感を抑えて対応する「長期的な戦略が必要だ」と主張。王毅駐日中国大使も息の長い取り組みを訴えた。
ナイ氏は米国の対北朝鮮政策が柔軟姿勢に転じたことや、北朝鮮が6カ国協議の枠内にとどまっていることを挙げ、核問題に進展の可能性があると力説した。ただ、核関連施設の停止・封印などを盛り込んだ2月の6カ国協議合意だけでは不十分だと指摘した。
王氏は「朝鮮半島の完全な非核化」を目指す立場を堅持しつつ「一歩一歩進むべきだ」と強調。北朝鮮が米国の「金融制裁」によってマカオの銀行内に凍結された資金の返還を求め、核施設の凍結などに応じていない問題については「(資金移管の)技術的な問題は克服できる」と強調した。
コメント