アジェンデ政権を軍事クーデターで倒したピノチェト政権は、アメリカ流新自由主義政策のもとに国内の貧困と格差を拡大。
90年以降の社会党等による連合政権のもとで、その貧困の克服が急速に進んでいる。
チリ貧困人口半減 民政移管後17年間の結果(しんぶん赤旗、6月10日)
【メキシコ市=松島良尚】チリのバチェレ大統領は八日、計画省が実施した調査にもとづき、ピノチェト軍政から民政移管した一九九〇年から昨年までに貧困率が38・6%から13・7%に低下したと発表し、「所得格差を是正する国家の役割はかけがえのないものだ」と強調しました。
調査は約七万四千世帯を対象に昨年十一、十二月に実施。民政移管後十七年間で貧困層は約五百万人から二百二十万人になりました。世帯数を五つに分類した場合の最富裕層と最貧困層の平均所得の格差は、二〇〇三年の十四・四倍から〇六年の十三・一倍に縮小しました。
同国では、七三年のクーデターで政権に就いたピノチェト軍政が民営化や規制緩和など新自由主義政策をいち早く導入。経済は成長しましたが、貧困、格差が急増しました。
九〇年以降、社会党などから成る選挙連合が四期連続で政権を担当。新自由主義推進の立場をとる一方、社会政策にも一定の力を入れてきました。社会党中心のバチェレ政権は、教育、年金改革などにとりくみ、新自由主義によって生じた弊害の是正をさらに進めようとしています。
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