「社会主義」をめざすベネズエラのチャベス大統領が、自らの長期政権に道をひらく改憲案を提出したという。
それ自体は同国の政治ルールにしたがって議論すれば良いことだが、あわせて、政権内部の民主主義、また政権に対して国民の意思が反映するパイプを太くすること、さらに政権批判の自由の保障を忘れてはならない。
「社会主義」とは、何より多数者が主人公となる政治体制づくりの試みでもあるのだから。
大統領の再選制限を撤廃 ベネズエラ・チャベス氏改憲案(朝日新聞、8月17日)
ベネズエラのチャベス大統領は、大統領の再選の制限をなくし、任期を6年から7年に延ばすなどの改憲案を発表した。ふだんから「2100年まで政権を担う」などと広言するチャベス氏の「終身大統領」に道を開くものだけに、野党勢力の反発は必至だ。
ロイター通信などによると、改憲案は15日、チャベス派が全議席を占める国会で提示された。チャベス氏は「私による改革ではなく、民衆による改革だ」などと述べた。年内に国民投票を実施する意向とみられる。
現在の憲法はチャベス氏の初当選直後の99年に設けられた制憲議会によって立案され、同年の国民投票で承認された。大統領の任期は6年で再選は1度と定めている。
だがチャベス氏は3選を果たした06年12月の大統領選の前後から、自らの唱える「21世紀の社会主義」を推進するためとして、改憲を打ち出していた。
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