安倍首相の辞意表明直前の世論調査である。
1年の実績を評価しない70%に対して、評価する27%。
首相にふさわしい人物については、麻生→小泉→小沢→福田の順であった。
「安倍内閣1年」読売新聞社世論調査(読売新聞、9月13日)
読売新聞社は安倍首相が退陣表明する前の8、9の両日、「安倍内閣1年」に関する全国世論調査(面接方式)を実施した。この1年間の実績を「評価しない」という人は「あまり」と「全く」を合わせて70%に上った。「評価する」は、「大いに」と「多少は」を合わせて27%だった。70・3%と高い内閣支持率(政権発足直後の緊急電話調査)でスタートした安倍内閣だったが、年金や政治とカネの問題などがクローズアップされたことで、厳しい見方をする人が多かった。
実績や対応で評価できるもの(複数回答)については、「年金問題への取り組み」(17%)「地球温暖化の防止など環境問題への取り組み」(14%)「北朝鮮問題への取り組み」(13%)――などの順だった。ただ、上位項目も1割台で、「とくにない」が47%と半数近くを占めた。
一方、評価できないもの(同)は、「閣僚の失言などへの対応」が44%で最も多く、「年金問題への取り組み」(42%)「事務所費など『政治とカネ』の問題への対応」(41%)などが続いた。
安倍首相の印象については、「明確な政治理念や目標」「国民に説明する能力」「指導力」の三つの面があるかどうかを聞いた。
「国民に説明する能力」は、「あまり」「全く」を合わせた「ない」が77%だった。「非常に」と「多少は」を合わせた「ある」は21%だった。不祥事や失言による閣僚の辞任が相次いだが、こうした問題などでの首相の説明を不満と思っている人が多かったと見られる。
「指導力」も「ない」計79%が「ある」計19%を大きく上回った。内閣発足1年後の時点で同様の調査を行った過去の首相と比べると、指導力が「ある」という印象を持った人は、宮沢首相(16%)より多かったが、中曽根、竹下、海部、小渕、小泉の各首相(30~50%台)より低かった。
ただ、「明確な政治理念や目標」は、「ある」と「ない」が、ともに49%で並んだ。「戦後レジームからの脱却」を掲げ、国民投票法の成立や教育基本法の改正を実現させた点を評価する人も多かったようだ。
民主、今後の役割「自民に対抗」57%
民主党が今後、どのような役割を果たすことを期待するかを聞いたところ、自民党に対抗する「野党の役割を果たすこと」が57%で、自民党と連携して「政権に加わること」32%を上回った。民主支持層に限ってみると、「野党の役割を果たすこと」が61%だった。
民主党が政権を担当する能力があると思うかどうかでは、「ある」は32%で、「ない」は55%だった。同じ質問をした2006年11月の調査と比べて、「ある」は1ポイント増え、「ない」が3ポイント減った。同じ質問は02年8月調査以降、6回行っているが、政権担当能力が「ある」と答えた人の割合は、今回が最も多かった。(世論調査部 塩見尚之)
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首相にふさわしい人 麻生氏1位
国会議員の中で、誰が首相に最もふさわしいと思うかを、与野党幹部などの中から挙げてもらったところ、1位は自民党の麻生幹事長=似顔=の15%。これに、小泉前首相、小沢・民主党代表が各12%で続いた。安倍首相は7%で4位だった。年代別で見ると、麻生幹事長は70歳以上で20%など比較的高齢者層での人気が高かった。小泉前首相は20歳代で17%なのに対し、年齢層が上がるほど挙げる人が減り、70歳以上では9%だった。
▽調査日:2007年9月8-9日
対象者:全国有権者3,000人(250地点、層化二段無作為抽出法)
方法:個別訪問面接聴取法、回収:1,787人(59.6%)*
Q6(21)安倍首相が就任して、間もなく1年になります。あなたは、この1年間の安
倍首相や安倍内閣の実績を、全体として、評価しますか、評価しませんか。
答え 1.大いに評価する 2.6 3.あまり評価しない 41.8
2.多少は評価する 24.1 4.全く評価しない 28.4 5.DK.NA 3.1
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
Q7
S1(22;23 )安倍首相や安倍内閣の実績や対応で、評価できるものがあれば、回答リ
スト4番の中から、いくつでもあげて下さい。
答え 10.米国との関係 7.2
20.中国との関係 10.5
30.韓国との関係 3.7
40.北朝鮮問題への取り組み 12.7
50.教育基本法の改正など教育改革への取り組み 10.6
60.防衛庁の省昇格 6.8
70.所得などの格差問題への取り組み 2.8
80.年金問題への取り組み 16.8
90.国民投票法の成立など憲法問題への取り組み 3.8
01.新・人材バンクの創設など公務員制度の改革 3.3
02.郵政造反議員の復党問題への対応 2.2
03.地球温暖化の防止など環境問題への取り組み 13.6
04.事務所費など「政治とカネ」の問題への対応 3.4
05.閣僚の失言などへの対応 1.8
06.8月の内閣改造や党役員の人事 3.7
07.その他 0.1
08.とくにない 46.9
09.DK.NA 3.1
(2007.09.08-09)(2007.09.13)
S2(24;25 )逆に、安倍首相や安倍内閣の実績や対応で、評価できないものがあれば、
同じ回答リスト4番の中から、いくつでもあげて下さい。
答え 10.米国との関係 7.3
20.中国との関係 7.3
30.韓国との関係 4.8
40.北朝鮮問題への取り組み 20.6
50.教育基本法の改正など教育改革への取り組み 10.4
60.防衛庁の省昇格 8.3
70.所得などの格差問題への取り組み 24.7
80.年金問題への取り組み 42.3
90.国民投票法の成立など憲法問題への取り組み 7.3
01.新・人材バンクの創設など公務員制度の改革 7.6
02.郵政造反議員の復党問題への対応 16.7
03.地球温暖化の防止など環境問題への取り組み 5.6
04.事務所費など「政治とカネ」の問題への対応 40.9
05.閣僚の失言などへの対応 44.2
06.8月の内閣改造や党役員の人事 15.6
07.その他 0.4
08.とくにない 10.5
09.DK.NA 3.3
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
Q8(26)安倍首相は、8月に、内閣を改造しました。あなたは、安倍首相は、今後、
実績を上げることができると思いますか、そうは思いませんか。
答え 1.そう思う 15.2 3.どちらとも言えない 30.4
2.そうは思わない 52.7 4.DK.NA 1.7
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
Q9 あなたは、安倍首相に、どのような印象を持っていますか。次にあげる3つの面
について、順に、非常にある、多少はある、あまりない、全くないのいずれかでお答え
下さい。
S1(27)「明確な政治理念や目標」については、あると思いますか、ないと思いますか。
答え 1.非常にある 9.8 3.あまりない 34.8
2.多少はある 39.0 4.全くない 13.8 5.DK.NA 2.6
(2007.09.08-09)(2007.09.13)
S2(28)「国民に説明する能力」についてはどうですか。
答え 1.非常にある 2.5 3.あまりない 52.0
2.多少はある 18.9 4.全くない 25.2 5.DK.NA 1.3
(2007.09.08-09)(2007.09.13)
S3(29)「指導力」についてはどうですか。
答え 1.非常にある 1.8 3.あまりない 50.5
2.多少はある 17.3 4.全くない 28.7 5.DK.NA 1.7
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
Q10(30;31 )あなたは、今の国会議員の中で、首相には誰が最もふさわしいと思いま
すか。回答リスト5番の中から、1人だけあげて下さい。(氏名は50音順)
答え 01.麻生 太郎 15.2 08.小池百合子 1.1 15.福田 康夫 5.8
02.安倍 晋三 6.6 09.小泉純一郎 12.3 16.前原 誠司 0.7
03.石原 伸晃 2.1 10.塩崎 恭久 0.3 17.町村 信孝 0.3
04.太田 昭宏 0.5 11.谷垣 禎一 1.5 18.与謝野 馨 0.4
05.岡田 克也 1.1 12.中川 昭一 0.3 19.その他の人 1.2
06.小沢 一郎 11.8 13.額賀福志郎 --- 20.いない 28.1
07.菅 直人 2.6 14.鳩山由紀夫 0.8 21.DK.NA 7.4
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
Q11(32)あなたは、民主党には、政権を担当する能力があると思いますか、ないと思
いますか。
答え 1.ある 31.9 2.ない 54.7 3.DK.NA 13.4
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
Q12(33)あなたは、今後、民主党については、自民党に対抗する野党としての役割を
果たすことを期待しますか、それとも、自民党と連携して政権に加わることを期待しま
すか。
答え 1.野党の役割を果たすこと 57.4
2.政権に加わること 31.5 3..DK.NA 11.1
(2007.09.08-09)(2007.09.13)*
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