日本軍による「集団自決」強制の記述を教科書から削除した問題にかかわって、沖縄では全政党共同での「撤回」を求める取り組みが進んでいる。
「美しい国」を求める人々がたくらんだ帝国軍隊名誉回復運動に対する、国内からの強烈な反撃である。
沖縄の自民党・公明党からは、それぞれの党本部に対する強い働きかけを期待したい。
国会議員共同声明へ 「撤回が県民総意」(琉球新報、9月16日)
29日に宜野湾海浜公園で開催される「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(同実行委員会主催)を前に、琉球新報社は15日、那覇市天久の琉球新報本社に県内各党の代表者を招き、県民大会に向けた座談会を開いた。各党とも大会に向けて所属議員の全員参加の方針を表明。大会後の超党派での要請に加え、県選出・出身国会議員11人による共同アピールを提出することで一致した。
沖縄戦「集団自決」への日本軍の強制などの記述を削除・修正した教科書検定意見について、「沖縄戦の実相を曲げてはならない。オール沖縄の問題だ」(新垣哲司自民党県連幹事長)と、検定意見撤回が県民総意との見解で一致した。
超党派の大会は「検定撤回、記述回復を求める上で大きなインパクトになる」(照屋寛徳社民党県連委員長)「今回の大会で、解決に向けた一つの流れをつくりたい」(喜納昌吉民主党県連代表)など、大きな意義を持つとの共通認識を示した。
大会後は「県民超党派で国会、大臣、都道府県を動かす」(喜納昌春社大党委員長)、「撤回に向け可能性がある働き掛けはすべてすべきだ」(呉屋宏国民新党県連代表)と、超党派による政府への要請行動や、全国的な運動の拡大の必要性が指摘された。また「県の国会議員11人が共同アピールを出すべきだ」(赤嶺政賢共産党県委員長)との意見に、各党とも賛同した。
教科用図書検定調査審議会の日本史小委員会に沖縄戦研究者がいないまま記述修正を承認、実質的議論がなされていなかったことに「現実を無視し、実情を把握していない。断じて容認できない」(糸洲朝則公明党県本代表)、「文科省はそういう方向性を持つ人を選ぶ。一番政治介入が起こっている」(下地幹郎政党そうぞう代表)などの批判が挙がった。
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