梅林宏道『米軍再編--その狙いとは』(岩波ブックレット、2006年)を読み終える。
「米軍再編」とは、在日米軍の再編ではなく、世界に配置された米国地球軍の再編である。
2002年段階で、「海外配備米軍の95%、海外の基地面積の51%が、西ヨーロッパと東北アジアに集中している。さらに言えば、ドイツと日本と韓国の3ケ国だけで海外配備米軍の81%を占めている」(10ページ)。
再編は、各地でのテロに備えるものだが、これを単純に分散化しようとするものではない。
これらの拠点は「世界の他の地域における不測の事態に力を投影するめのハブという追加的な役割を果たすことになる」(12ページ)。
そして、そのためには、「同盟国や友好国が彼ら自身の軍隊、軍事ドクトリン、戦略を近代化するのを助ける」こと、「彼らと共に軍事能力を転換するような方法を探究」することが必要となる(13ページ)。
日本の自衛隊の再編と強化、日米の軍事的一体化、海外でアメリカとともに戦争のできる国づくり……。
これらの道は、アメリカによる地球的規模での軍事力配備と管理の方法の変更を、究極の原動力としているわけである。
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