日本の戦争責任資料センター/アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」編『ここまでわかった! 日本軍「慰安婦」制度』(かもがわ出版、2007年)を読み終える。
これは、新3年ゼミ生たちの春休みの宿題でもある。
こちらが読んでおかないわけにはいかないのである。
吉見義明氏は、特に資料が明らかにする「慰安婦」制度を総括的に示し、問題の性格を戦時性暴力、民族差別、貧しい女性に対する階層差別と特徴づける。
林博史氏は、各種裁判の検討から、「慰安婦」制度が戦前日本の刑法によっても、国際条約によっても、戦争直後の戦犯裁判や最近の「慰安婦」裁判によっても犯罪として認識されてきたことを明らかにする。
「当時は当たり前のことであり、特に問題はない」という認識の誤りが示されているということである。
西野瑠美子氏は、多くの被害者証言をもとに「慰安婦」被害の現実にせまり、「責任者処罰」に立ち向かった2000年の女性国際戦犯法廷が、被害者の自己回復に不可欠のプロセスだったと強調する。
関連して示されたいくつかの文献・論文も含めて、ゼミでの学びの重要な素材としていきたい。
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