「安倍氏50% 福田38% 総裁選 焦点は55%『格差是正』」(東京)。
自民党県連3役への共同通信による,自民党総裁選についての意識調査である。
具体的に名前があがった限りでは,安倍支持が数字のとおり多数である。
争点にすべき課題としては,第一に「格差是正」があがる。
生活実態の破壊が無視できなくなっているということだろう。
とはいえ,安倍・福田両氏ともに「格差是正」への期待がかけられるのは不思議である。
両氏は小泉内閣の官房長官として,格差拡大政治を推進してきた張本人ではなかったか。
「構造改革」路線継承の枠内では,その点の方向転換は期待できない。
福田氏支持の理由には「アジア外交」の打開もあげられている。
靖国問題では「参拝すべき」41人,「すべきでない」34人と割れており,安倍氏支持に「すべき」派が多く,福田氏支持には「すべきでない」派が多くなっている。
数少ない両者の政策的「争点」といえようか。
それにしても当の福田氏が,立候補の意志表示をここまで曖昧にしつづけるのはなぜだろう。
安倍氏50% 福田38% 総裁選 焦点は55%『格差是正』
共同通信社は十七日までに自民党の各都道府県連の三役(幹事長、政調会長、総務会長)を対象に、九月の党総裁選に関して意識調査を実施した。「次の総裁にふさわしい人」では、具体名を挙げた七十八人のうち、三十九人(50・0%)が安倍晋三官房長官と回答、福田康夫元官房長官を推す声も三十人(38・5%)に上り、地方組織で「安福」に支持が集中する二極化傾向が鮮明になった。
総裁選の争点にすべき課題は「格差社会の是正」が55・8%とトップで、小泉構造改革に伴う中央と地方の経済格差の解消に、新政権で手厚い施策を期待している状況を浮き彫りにした。
調査は六月上旬から中旬に行い、四十五都道府県連の計百二十八人が回答。県連三役の意識は、総裁選の「有権者」の約百万人の党員・党友に近いとみられる。
争点にすべき課題は、格差解消に次いで(1)年金、医療など社会保障制度改革16・7%(2)景気対策10・8%(3)憲法改正5・0%(4)外交4・2%-の順だった。
安倍氏は全国的に幅広い支持を獲得。「統一地方選や参院選を勝つには人気の高い人が一番」(北海道)との期待に加え、政策も「格差社会の解消に取り組もうとしている」(奈良)、「靖国神社参拝や対北朝鮮外交で信念がぶれない」(高知)と評価された。
福田氏は鳥取、島根など自民党の支持基盤が比較的固い地域で名前が挙がった。「手詰まりのアジア外交を打開できる」(群馬)、「小泉改革をスピードダウンして調整するのに適任」(静岡)と「小泉政治」の修正を望む声が強かった。
麻生太郎外相と答えたのは、九州を中心に七人で、会社経営の経験から「経済政策の手腕に期待する」(長野)などが支持理由。谷垣禎一財務相支持は一人で「国の財政が沈没しないよう道筋を付けてほしい」(徳島)としている。与謝野馨経済財政担当相も一人が推し「派閥に属さずバランスがある」(山形)と評価した。
次の首相が靖国神社に参拝すべきか否かを聞いたところ、「参拝すべき」が四十一人で、「参拝すべきでない」の三十四人を上回った。安倍氏支持者では参拝賛成派が反対派より多かったが、福田氏支持者では逆になった。(060618)
最近のコメント