格差の拡大は、仮に底辺層の上昇があったとしても「貧困」の拡大であることに変わりはない。
所得の再分配を行う調整機構の整備が不可欠である。
中国の輸出は5割以上が外資によるものといわれてきたが、いよいよ6割に達したらしい。
「世界の工場」とは、世界のものづくりの拠点であるという意味とともに、先進国巨大資本の国際分業に組み込まれた経済であるということでもある。
中国の格差、一段と深刻に アジア開発銀行が報告(東京新聞、8月8日)
【北京8日共同】アジア開発銀行(ADB)は8日、都市部を中心に急速な発展が続く中国では、ほかのアジアの発展途上国と比べても格差が拡大しているとの報告を発表した。
中国の現状について報告は、都市と農村の格差だけでなく、最近では都市内部でも格差が広がっているとして「均衡の取れた発展」からますます遠ざかっていると指摘。格差是正に向けた対策としては、「機会の均等」に向け貧困層に対する雇用対策や教育体制の整備などが重要と強調した。
所得格差の指標「ジニ係数」をみると、中国は1993年の0・407から2004年の0・473に上昇。インドでは同期間に0・329から0・362への上昇にとどまっており、ADBは、中国について「格差拡大がますます深刻になっている」と指摘した。
日本の機械機器輸出、中国に抜かれ4位 ジェトロの白書(朝日新聞、8月8日)
日本の機械機器の輸出額が06年に中国に初めて抜かれ、世界4位となったことが、日本貿易振興機構(ジェトロ)が8日発表した07年版貿易投資白書で明らかになった。日本の「お家芸」だった機械分野だが、中国が「世界の工場」としての地位を固めている。
世界全体の貿易額は、06年に前年比15.4%増の11兆8742億ドルに達し、4年連続の2ケタ成長を記録。機械機器輸出は4兆9266億ドルで全体の4割を超える。
このうち中国の占める割合は9.9%で前年より1.2ポイント増え、同0.5ポイント減の9.1%だった日本を上回った。00年には米国に次ぐ2位だった日本の機械機器輸出は01年に独に抜かれ、3位となっていた。ただし、中国の輸出の6割は、日系メーカーなど外資系企業が占めている。
日本からの対外直接投資は06年に502億ドルとなり、バブル期の90年の480億ドルを抜いて16年ぶりに過去最高を更新した。
一方、対日直接投資は17年ぶりに流出が流入を上回って、68億ドルの資本流出となった。
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