以下は,6月23日に行なった,本学女性学インスティチュートの連続セミナー「戦後60年の女性の歩み」(担当テーマは「経済のあり方と主婦という生き方」)で講演をしての感想です。インスティチュートの「女性学ニューズレター」41号のための文章です。
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〔女性学ニューズレター原稿〕
内 容: 連続セミナー「戦後60年の女性の歩み」を担当して
字 数: 本文(横書き)横24字×縦26行=約624字以内
私のテーマは「経済のあり方と主婦という生き方」でした。①私がジェンダー問題に関心をもつようになったきっかけ,②資本主義の形成に応じた「近代家族」と「専業主婦」の誕生,③日本国憲法による男女平等の明記と「主婦の大衆化」,④はたらきたい女性の増加と社会環境のミスマッチ,⑤迷いつつ挑戦する学生たちと社会の課題,というような流れでした。少し盛り込みすぎかとも思いましたが,感想文には「経済と主婦の関係をはじめて聞いた」「面白かった」「自分の働きづらさの理由がわかった」といった言葉をいくつもいただくことができました。
さて,私のゼミの4年生は14名全員が就職希望ですが,正社員の求職が少ないなかで,ほとんどの学生がすでに就職先を確定しています。大変な健闘といって良いのでしょう。とはいえ就職決定は,それだけで万々歳とはいえません。残念ながら,就職してから「カラダがもたない」「セクハラがひどい」といった理由で転職・退職を余儀なくされることがあるのです。これは卒業生個々人の責任に帰すべき問題ではありません。企業のあり方,社会のあり方の問題です。そして,それは「仕方のないこと」などではなく,大人たちみんなの力で改善していくべきことがらです。大学教育をつうじて,この厳しい社会を生き抜くしたたかな力とともに,よりマシな社会づくりを目指す知恵と勇気をもった女性を育てたいと思っています。
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