以下は,7月15日から始まる和歌山での「ジェンダーと史的唯物論」講座に届けた「講師のつぶやき(1)」です。
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〔2006年夏「ジェンダーと史的唯物論」講座〕
講師のつぶやき(1)
2006年7月11日
神戸女学院大学・石川康宏
http://walumono.typepad.jp/
ごぶさたしています。石川です。
今回は4回だけの短期講座ですが,よろしくお付き合いください。例によって毎回,このような「講師のつぶやき」を配布します。次回以降は,これに「質問と答え」も掲載するようにします。ぜひ,さっそく第1回から,感想や質問を遠慮せずにお寄せください。
とはいえ,今回は「つぶやき」を長く書いている時間がありません。『前衛』という雑誌の原稿に追われているのです。
今年は2月に『「慰安婦」と出会った女子大生たち』(新日本出版社,2006年)を出版し,その後,大小とりまぜて,次のようなものを書いてきました。
「書評・渡辺治『構造改革政治の時代』」(「しんぶん赤旗」2月26日),「大企業中心主義から生まれた『小さな政府』」(『社会保障』2006年春号),「書評・松井やより著『愛と怒り 闘う勇気』(『女性学評論』2006年3月),「女性の働きづらい社会はどうつくられたのか?」(『学習の友』2006年4月),「書評・不破哲三『21世紀の世界と社会主義』」(「しんぶん赤旗」2006年4月2日),「研究ノート・『知識人』たりえているか」(「しんぶん赤旗」2006年4月5日),「成長する東アジアと日本の進路」(『唯物論と現代』2006年6月),「『人間発達の経済学」とマルクス・労働運動・セン』(『経済科学通信』2006年6月)。
こうしてまとめてみると,結構,仕事してますよね。
そして,近々「人口変動とマルクスの資本主義分析」(『経済』2006年8月号掲載予定)が発表されます。その上に,いま日米中3ケ国の関係と政財界・保守論壇の中の「離米」論に焦点をあてた論文を書いているのです。
おっと,ここで忘れないうちに書いておきます。ご案内です。今年もゼミの3年生たちとともに,9月11日から14日の予定で,韓国を訪問します。かつて日本軍性奴隷を強制された被害者たちがくらす「ナヌムの家」を訪れ,また現地の日本大使館に抗議する「水曜集会」に連帯して参加するためです。
費用は詳細未定ですが,例年どおりであれば7万円前後になるのではないかと思っています。自由時間は13日の夕方以降しかなく,全体として学生たちのスケジュールにカッチリあわせてもらっての参加となりますが,今年も7~8名の学外の方からの参加申し込みが入っています。和歌山のみなさんにも,もし,同行を希望される方があれば,相談させていただきますので,石川までメールをしてください。
なお,この学生たちは,7月1日に「女たちの戦争と平和資料館」を訪れ,7月2日には丸1日がかりで「靖国神社・遊就館」を見学してきました。
話しをもとにもどします。本来であれば,この「つぶろき」にジェンダー関係の話しの1つも書くべきなのですが,いまは新たに文章を書くゆとりがありません。そこで,いくつかの新聞記事の紹介で今回はご勘弁をお願いしたいと思います。
では,これから8月までの1ケ月間,お互い楽しく学んでいきましょう。
(ここに紹介したすべての書き物は,私のブログにアップされています。ご参考までに。)
人身売買,北朝鮮など12カ国が最低 米報告書
2006年06月06日12時46分(asahi.com)
米国務省は5日、北朝鮮やイランなど12カ国を最低レベルに位置づけた世界の人身売買の実態に関する年次報告書を発表した。北朝鮮は抑圧体制が人身売買の被害者を生み出しているとされ、脱北者が中国で置かれる苦境も取り上げられた。日本は依然として「基準を満たしていないが、改善の努力が見られる」という中間の評価だった。
報告書は法整備や対策、被害者保護などの要素で各国を3段階に分類。最低レベルの国には援助停止などの制裁が科される可能性がある。
北朝鮮をめぐっては、強制労働が行われている収容所に「推計15万~20万人」が投獄されていると指摘。大勢が脱北するものの中国で不法滞在を強いられ、性的搾取も含めた人身売買の被害に遭いやすいとした。また、北朝鮮はモンゴルやロシア、チェコの工場に労働者を送り、監視のもとで強制労働を強いている疑いがあるともした。
日本に関しては「女性や子供がタイ、フィリピン、ロシア、東欧から性産業のために送り込まれている」とした。ただ、政府の対応については改善の努力を評価、興行目的の在留資格の厳格化でフィリピン人女性の人身売買を削減したことなどに触れた。今後の対策として犯罪組織の摘発強化や関与者への厳罰化などが有用、としている。
報告書は3段階評価のうち中間レベルの国の一部について、「実態が悪化している」ことなどを理由に「監視対象国リスト」に挙げている。日本は04年にリスト入りしたが、05年に外れている。
子育て,妻任せの家庭が8割超…家庭動向調査で判明
1歳未満の子供がいる家庭で、育児のほとんどを妻任せにしている夫が8割を超えることなどが、9日、国立社会保障・人口問題研究所が発表した全国家庭動向調査でわかった。
少子化が進む中、夫の育児参加が進んでいない実態が浮かび上がっている。調査は1993年から5年ごとに実施、今回は2003年、全国の既婚女性を対象に行い、有効回答7771人分を分析した。
それによると、1歳未満の子供がいて、夫がまったく育児を手伝わない家庭は9%。育児の「8割以上」は妻が行う家庭は82・4%に上った。
1歳未満の子供について、夫が週1、2回以上行っている育児内容をみると、「遊び相手をする」が94・7%なのに対し、「寝かしつける」は51・2%、「食事をさせる」は57・6%にとどまった。
また、育児や教育について主に決定するのが妻という家庭は50・5%なのに対し、夫が決定する家庭は3・4%に過ぎなかった。
一方、「夫も家事、育児を平等にすべきだ」と考える妻は、74%(93年)から82・8%(今回)に増えたが、夫の家事や育児への参加について「期待している」とする妻は、50・8%(93年)から41・2%(今回)に低下した。
同研究所では、「夫が育児に協力する家庭ほど、さらに子を産みたいという意欲につながっているのに、育児分担が進んでいない。男性の帰宅時間が遅くなるなど、夫が育児に参加しやすい社会環境になっていないことも背景の一つ」と分析している。(2006年6月9日20時21分 読売新聞)
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